黒田如水の教え 自分の前に立ちはだかった〝障害〟を「生きる力」に変える術とは【大竹稽】
障害があるままに自由になる 〜黒田如水の障害 第2回〜
「行く手を遮られた!」
「順調なキャリアが妨害された!」
「常勝に黒星がついてしまう!」
「成功路線が崩れてしまった!」
障害に出くわすと、誰もが驚き、一度は「参ったなぁ」と落ち込んでしまうでしょう。いきなり「ヨシ!」なんていかないものです。そして「どうすればいいのだろう?」と葛藤するでしょう。
この葛藤状態が大事です。どれだけ自力で模索できるか。どれだけ失敗できるか。自分自身が試されていると覚悟できるか。
もし、安定路線に依存してしまっていたら、安定的な成功に慢心してしまっていたら、「勢力百倍」どころではなく沈み込んで立ち直れなくなってしまいます。
『両立思考』という現代人には必須の好著があります。「パラドクスの効力」を教えてくれます。この本では、葛藤状態が「緊張状態」と表現されています。「AかBか」の答えがどうしても出せないパラドクス問題。そんなパラドクスには、「一択で楽勝」だったマンネリ状態を覆す力が内在するのです。緊張状態は、燃え尽きかけていた思考を再燃させるのです。そしていずれ、パラドクスの先に、第三の活路を見出していきます。第三の活路は「選ぶ」ではなく「創る」思考。それは新鮮で、エネルギッシュで、「勢いのある」思考なのです。
「障害」は私たちを立ち止まらせます。そしてこれまでの自分を、自分の考え方やあり方を省みさせます。容易には先に進めないからこそ、私たちは自力を試されます。
「障害にはマイナスの価値しかない」なんて、言いたいだけ言わせておきましょう。胆力弱者は慢心した思考力弱者。巨岩を乗り越えた先の景色など、彼らにはイメージできないのです。
文:大竹稽
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KEYWORDS:
「障害」?「才能」だ!
子供が授かっている力を開花させる学び場を横浜横須賀で創る
異色の哲学者・大竹稽の挑戦
「こども禅大学」クラウドファンディング始動
https://camp-fire.jp/projects/view/752443
「障害」診断は子供の才能を制限するものではありません。でも、お母さん達はそんなレッテルに悩み、「不安・不確実」な未来に悩んでしまいます。そんなお母さん達の心と考えをお手当てします。是非皆さまのお力添えをお願いいたします。
はじめまして。「こども禅大学」代表、大竹稽です。2024年4月までに、教育関連・哲学関連の書籍を21冊、出版しています。
大学では哲学研究を続けてきましたが、2014年の中退以降はお寺でのリアル寺子屋を神奈川や東京、京都で開いてきました。
この教育活動の中、我が子が「障害」診断されたことで悩んでいるお母さん達とつながるようになってきました。お母さん達は、我が子の特性に気づいています。その特性は決して学習や仕事の「障害」になるものではありません。ただ、決められたスピードと平均的な成果を要求される集団での学習システムに、どうして子供がなじめないのです。そして転校や不登校を「選ぶ」ことになったり、あるいは中退を「選ぶ」ことになったりします。
確かに、どの子供達も生きづらさを感じています。しかしそれ以上に、お母さんの悩みは大きいことを、生々しく知りました。そしてその悩みは、子供の才能を「束縛」「制限」させる方向に働いてしまいます。「困らないようにする」「できないことをなんとかする」という意識は、「出過ぎないようにする」へと導いてしまうからです。そしてさらにお母さんの悩みは深くなってしまいます。
私は、著作や講演を通して、即効性だけを求めるテクニックに警鐘を鳴らし続けてきました。失敗や道草の大切さを伝えてきました。「秒速」「爆速」などと形容されるようなテクニックは、むしろ長い目で見れば手枷足枷、思考の歪みになることを誠心誠意、警告しています。
しかし、相変わらず、成功やキャリアに縛られた即効性と成功実績をうたう学習塾がもてはやされています。でも、当事者のお母さん達は、それが本物の学習でないことに気づいています。当事者ではなくても、本物の学習を模索する大人達も増えてきました。
今は時代の潮目です。未来を憂えるならば、この潮目に動かなければなりません。2024年の春、「こども禅大学」という看板を掲げ、お母さん達の悩みと心をお手当てし、どの子供にも備わっている自発力と向学心を開花させる活動を開始します。私の地盤である神奈川の知己に声をかけました。活動の賛同者・監修者として、信頼する禅僧や議員達が集ってくれました。
そしてこのクラウドファンディングを介して、さらに多くの賛同者に出会えることを願っています。
大竹稽